こんにちは。
ピアニストでピアノ講師、内田瑞穂です。
今回はピアノを始めたばかり、またはこれから始めたい!という方向けに音符の読み方を解説しようと思います。
(ピアノの楽譜を読めることを目指して説明していますが、何の楽器でも基本は同じです。ピアノの楽譜が読めればほとんどの楽譜はその延長線上で読めます。)
音符を読むことは文字をおぼえることと一緒だと思っています。
私たちが小さいころ、文字を覚えたての頃は一つずつゆっくり「あ」「い」「う」と読んでいたのが、いつのまにか一目見ただけで分かるようになって「あいうえお」とスラスラ読めるようになりますよね。
それと同じで、始めは一つずつゆっくり「ド」「レ」「ミ」と読んでいても、何度も音符を読んで覚えていくことでメロディがスラスラ読めるようになっていきます。
ポイントは音の位置を見た目で覚えてしまうことです!
それでは、基本からやっていきましょう。
ステップ1 五線の位置関係を知る
まずは音符を読むための下準備です。
楽譜に使われる線=五線の位置関係をおぼえましょう。
五線とは?
音の高低を表すために用いられる線のこと。
弦・管楽器や歌など、一つの楽器で一度に一つの役割だけを担当する楽器(メロディだけ、伴奏だけ・・・といった具合に)は五線1段の楽譜を用いますが、ピアノはメロディも伴奏も一度に演奏するので五線を2段用います。(これを大譜表といいます。)
間違えちゃいけないのは、五線は音の高低、つまりドレミを表すものだということ!
ドレミの読み方とリズムの読み方はまったく別物なので、まずそこはしっかり区別しておいてくださいね!
(今日の記事ではリズムはガン無視です!!また今度あげますね・・・)
五線と音符の位置関係をおぼえましょう!
音符は基本的に〇で表しますが、この五線のどこに〇が書いてあるかで何の音か判別します。
まず線の上に〇を書いたら、次は線の間に〇、また線の上、線の間、上、間、上、間・・・
このように、階段状に上に登っていくごとにド、レ、ミ・・・と隣の音になっていくので、まずはその順序を頭に入れましょう!
ト音記号とヘ音記号
ただ、これだけだと音の高さが判別できないので、音部記号というものを用います。
これはみなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
ト音記号とヘ音記号というやつです。
ト音記号は高い方の音、ヘ音記号は低い方の音を表すので、ピアノでは上の五線にト音記号、下の五線にヘ音記号を置くのがもっとも一般的な形です。
さて、これで楽譜の基本的な形は完成!
次のステップで、いよいよ音符を読んでみましょう!
ステップ2 基本的な音の位置をおぼえる
楽譜の基本的な形がわかったら、次は基本的な音符の位置をおぼえます。
まずはドの音から1個飛ばしで「ド」「ミ」「ソ」「シ」の4つををおぼえましょう。
ステップ1でやったように、線の上、間・・・という順序でドレミ・・・と覚えていく方法もありますし、その仕組みを理解していないとこのステップも理解できないのですが、そういう数え方だと読むのにとても時間がかかる!!
ここではそうやって数えずに、「この音はここ!」と場所で覚えてしまいましょう。
このステップの最終目標は、その音単体で見せられても、見た瞬間にその音が判別できることです!
「ド」「ミ」「ソ」「シ」をおぼえよう!


ト音記号とヘ音記号それぞれ、どちらも下の○から順に「ド」「ミ」「ソ」「シ」です。
ト音記号のドは〇に短い線も書き足していますが、五線に収まりきらなくなったときはこのように短い線を書き足します。(これを̠加線と言います)
音1個飛ばしなので、ト音の場合は全部線の上の音符、ヘ音の場合は全部線の間の音符ですね。
どこの線の上(ヘ音の場合は間)に何の音があるかをしっかり頭に入れましょう!
おぼえられたら次に行きます。
「レ」「ファ」「ラ」「ド」をおぼえよう!


これもト音記号とヘ音記号それぞれ、下から「レ」「ファ」「ラ」「ド」です。
今度はさっきと逆で、ト音の場合は全部線の間の音符、ヘ音の場合は全部線の上の音符になっています。
でもそういう言い方をしてしまうと頭がごちゃごちゃになってしまうかもしれないので…😅
さっき覚えた「ド」「ミ」「ソ」「シ」をもとに、「ドの上」「ミの上」・・・という覚え方でいいと思います。
ここで出てくる「ド」は、さっき「ドミソシ」をおぼえた時に出てきた「ド」の1オクターブ上の音になります。
これでト音とヘ音それぞれ、ドレミファソラシドを網羅したわけです!!
※下の図で赤く○した「ド」の音は、ピアノの鍵盤で言うところの「真ん中のド」、つまり同じ高さの音になります。
説明するためにト音とヘ音で分けましたが、そこは間違えないでくださいね!


発展編 ~もっと高い音、もっと低い音も読んでみよう!
ここまでで、ト音とヘ音を合わせて16個の音符(真ん中のドがかぶっているので厳密には15個)をおぼえたわけですが、もしこれが完ぺきに読めるようになったらもっと高い音や低い音にも挑戦してみましょう!
覚えるのに苦戦していたら、とりあえずここを読み飛ばしてステップ3にいってもOKです!
「ド」「ミ」「ソ」「シ」


加線は1本増やし、2本増やし・・・と音が高く(または低く)なるにつれてどんどん増えていきますが、ト音の「高いシ」の音のように〇の下に線がついている形を線の間、ヘ音の「低いド」「低いミ」のように〇の中に線が通っている形を線の上と考えます。
「レ」「ファ」「ラ」「ド」


こちらも考え方は一緒ですが、ト音とヘ音とで加線の付き方が逆になっていることに気付いたでしょうか?
先程、”ト音の「高いシ」の音のように〇の下に線がついている形を線の間”と言いましたが、低い方に加線をつけていくときは〇の上に加線が付きますので要注意です!
ステップ3 変化記号のついた音符を読む
ここまでで、2オクターブ(発展編もこなしていたら4オクターブ!!)読んできました。
最後に変化記号と呼ばれるものを読んでいきます。
変化記号とは?
「変化記号」なんて言葉は聞いたことがない人も多いかもしれませんね。
意味は文字通り「変化させるための記号」なのですが・・・
もっと分かりやすく言うなら、「シャープ」「フラット」「ナチュラル」の三つのことを指します。
- #(シャープ)・・・音を半音高くする
- ♭(フラット)・・・音を半音低くする
- ♮(ナチュラル)・・・#や♭のついていた音符を元の高さに戻す
「半音」というのは、ピアノで言うと隣の鍵盤のことを指します。
例えば、
「ド」の半音高い音は「ドとレの間の黒鍵」
「ド」の半音低い音は「シ」
といった具合に、黒鍵も白鍵も全部含めて一番近い鍵盤のところを言います。
この3つの変化記号の違いを覚える必要はありますが、楽譜として読むのは実は簡単!
この記号、変化させたい音の左側についているだけです!
こんな具合に。
これは、ト音もヘ音もファのシャープとシのフラットになります。
ただ、覚えるべきルールが1つ。
この3つの記号は、一度ついたら小節線をまたぐまでずっと有効なのです!
例えば、この楽譜だとファの音は水色で塗りつぶした3つありますが、シャープがついているのは最初の1つだけです。
しかし、小節線が来るまではシャープは有効なので、実際には最初の2つはファのシャープを弾くことになります。
そこにだけ注意すれば音符を読んで、記号がついていたら変化させて…という作業だけでOKなのです!!
おまけ ~調号について
ここまで説明したような、音符の横につける変化記号を「臨時記号」という呼び方をします。
そういう呼び方があるってことは違う使い方もあるってこと😅それを「調号」といいます。
調号とは?
今までやった「臨時記号」は、小節線をまたぐまでというルールはあるものの、基本的にはその記号がついた音符だけを変化させるもの。
「調号」というのは、その曲全体を通してその音を変化させてくださいね、という記号なのです!
調号はこんな風に楽譜の一番最初に書かれます。
この楽譜の場合だと、ファとドのところにシャープがついているので、この曲の中でファとドが出てきたらシャープをつけてくださいね!ということなのです。
ただし、注意点が2つ。
- ナチュラルで打ち消されたらシャープは外すこと。
- シャープがついている高さ以外のファとドの音にも有効なこと。
特に2には要注意です!
この曲にファとドが出てきたら、それがどこの高さの音だろうとシャープがつくのです!!
ここではファとドの2つにシャープがついている楽譜で説明しましたが、シャープが1つしかついていない場合も5つついている場合もあります。
もちろんフラットがついている時もあります。
この調号の付け方にもルールがあり、見分け方もあるのですが、それはまたの機会に・・・
まとめ
今回は、音符の読み方を3ステップに分けて解説してきました。
- 五線の位置関係を知る
- 基本的な音の位置を覚える
- 変化記号のついた音符を読む
特に大事なのはステップ2です!
自分で楽譜を読んで曲が弾けるようになるためには、パッと見て何の音か判別できるくらいに音符の位置を覚えてしまいましょう!!
ステップ2の最初で
ステップ1でやったように、線の上、間・・・という順序でドレミ・・・と覚えていく方法もありますし、その仕組みを理解していないとこのステップも理解できないのですが、そういう数え方だと読むのにとても時間がかかる!!
ここではそうやって数えずに、「この音はここ!」と場所で覚えてしまいましょう。
と言いましたが、最終的にはそのどちらからでも読めることを目指せるといいですね。
音符を一目で判別できることと、前の音からの位置関係で音を把握すること。
どちらもできれば「音符」ではなく「曲」が読めるようになっていきますよ!
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音楽の仕組みそれ自体の知識だけではなく、歴史や文化についてもちりばめられていて、幅広い知識を得ることができると思います。
同じ著者でこんな書籍も。
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