こんにちは。
ピアニスト、ピアノ講師の内田瑞穂です。
今日は、楽譜の一番最初によく書いてあるこれについて書いてみようと思います。
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このト音記号とヘ音記号の隣に書いてあるシャープのことを「調号」と言います。
調号って何?という人はこちらの記事から。
blog.piano-mi66.me
この調号に慣れると楽譜を読むのがグンと楽になります!
シャープ、フラットのつく法則
この調号、曲によってシャープが1つだったり、3つだったり、フラットがついていたり、はたまた何も書いていなかったりと、さまざまな種類があります。
でも適当についているわけではなく、そのつけ方にはルールがあります。
シャープの場合とフラットの場合に分けて見てみましょう。
シャープの場合
たくさんシャープがついていますが、何の音につくのか順番は決められています。
シャープの場合はファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シの順番です。
例えば、シャープが1つだけなら最初のファだけ、2つだったらファとド・・・とシャープが1つ増えていくごとにこの順で増えていくことになります。
フラットの場合
フラットも同様で、つく順番が決まっています。
フラットの場合はシ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファです。
このシャープの場合とフラットの場合、それぞれの記号のつく順番を覚えてしまうと、譜読みが格段に楽になります。
「水兵リーベ~」と語呂合わせで覚えた元素記号のごとく・・・
「ファドソレ・・・」と順番を頭に入れてしまえば、シャープが1個だけだったらファにシャープ、2個ならファとドにシャープ、というのをどこにシャープが書いてあるかを読まなくても機械的にわかりますから。
それを確認してから音を読んで、譜読みしていけばいいわけです。
調号と調の関連性
調とは・・・?
さて、調号の見方がわかるとその曲がどの調の曲なのかを知ることができます。
”調”というのは簡単に言えば”その曲の中心となる音は何なのか?”を表す言葉です。
ハ長調だったらハ(=ドの音を表す日本音名)を中心とする長調(=明るい響き)の曲になります。
※”ドレミファソラシ”という音名はイタリア語のものですが、日本語では”ハニホヘトイロ”と呼ばれます。
ハ短調だったらハ(=ド)を中心とする短調(=暗い響き)の曲になります。
その調の中心となる音から一個飛ばしに3つの音を重ねた和音(ハ長調だったらド、ミ、ソ)が、その調の一番基本の和音となり、その響きが来るとメロディが終わってひと段落ついたような心地がします。
「このメロディはどこまで続くのか?」「どういう曲の作りになっているのか?」というのを楽譜を見て判断するためにも、その曲がどの調の曲なのかを知ることはとても大事です!
調号から調を判断することができる
調号には、シャープが1つのもの、2つのもの、フラットのもの・・・とたくさんの種類がありますが、1種類の調号につき長調と短調を1つずつ表すことができます。
例えば、これはシャープ2つなのでファとドにシャープがつくことになりますが・・・
この調号では二長調(つまり二=レの音を中心とする長調)とロ短調(ロ=シの音を中心とする短調)の2つを表すことができます。
その曲がどちらなのかは調号だけでは判断ができません。
明るい響きの曲だったら二長調ですし、暗い響きの曲だったらロ短調になります。
以下に、すべての調号と、それに対応する長調・短調をまとめてみました。
調号の一覧
調号なし
シャープ系
フラット系
・・・と一覧表にしてみましたが、これを全部覚えようとするとすごく大変です・・・!!
一応共通点としては、長調の中心の音(ト長調ならト=ソ)を調号を付けたままの状態で二つ下に下げたもの(ト長調ならソ、ファ♯、ミ、と下がってホ短調になります)が対応する短調になりますが・・・
「この曲はシャープが3つだから、その時の調は・・・」なんていちいち考えていたら頭がこんがらがってきてしまいそうですね(;'∀')
実は、調号を一目見ただけで何の調なのかがすぐわかるすごく簡単な見分け方があります。
でもそれはまた次回…続編をあげようと思います。
ここでは、調号1つにつき2つの調を表すことができるんだ、ということをとりあえず覚えておいてくださいね!
まとめ
それでは今日の記事の大事な点のまとめです。
- 調号のつく順番は決まっています。
→シャープの場合は、ファドソレラミシ
フラットの場合は、シミラレソドファ
- 調号1種類につき、長調と短調を1つずつ表すことができます。
- ”調”とは、”その曲の中心となる音は何なのか?”を表す言葉。日本語の音名”ハニホヘトイロ”を用いて、”ハ長調””ハ短調””二長調””ニ短調”・・・などと表すことができます。
それではまた次回!
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